映画『あかね空』を観た

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 江戸時代の下町情緒の雰囲気が好きで、時代劇と言っても内容を結構選ぶ方。この映画はドンピシャ自分の好きな感じの江戸が垣間見れて、それだけで満足。話の内容は京(京都)から来た豆腐職人が江戸で豆腐造りを家業としてやっていくという話。

 

 永吉(演じるのは内野聖陽)が京から江戸に上ってきた場面から始まり、おふみ(中谷美紀)と所帯を持ち、子供が生まれ「京や」(永吉のお店の名前)がどんどん繁盛していくが、途中息子が博打で借金がかさんでいく・・・。この後、どうなることかと思ったが最後美味しいところは賭場の傳蔵親分が全部持って行ってしまった感じ。話としてはしっくりしてまとまっていてハッピーエンドでよかった。その傳蔵親分の台詞は多い方ではなく、心情も具体的にはっきりと描画はされてなかったんだけど、幼い頃親とはぐれた場面や、その親は豆腐屋だったりしたこととか、点であるほわんとした各物語が点と点が繋がり線になり「ああ、なるほどね」とストーリーがどんどん見えてくる。

 もしかしたら傳蔵親分は「こんなことを考えてたのかな」「こんなことを思っているのかな」と想像を巡らせることができる。とにかく傳蔵親分が“話の分かるヤツ”って感じでかっこよかった。でもある意味ひょっとしたら、こそこそちまちまとしている「平田屋(京やを落とし入れ潰そうとした店)」に一杯喰わせててやりたかったと前々から思っていたのかもしれないし。

 あと、嘉次郎(勝村政信)との豆腐の売るにあたって縄張り争いの話も、もう少し見てみたかった気がする。気に入らない気に入らないと言ってる割には、意外とあっさり永吉の作る豆腐は開口一発で「うまい!」と唸っているし。実際、永吉に江戸で京の豆腐を上手く売るヒントを教えてるのも嘉次郎だし。なんだかんだ気に入らないフリをしてて豆腐職人としては認めているんだろう。最初はライバルだったはずなんだけど全くもってお人好しで案外世話好きなのかもしれない。これも意外と江戸っ子の気質なのか。

 永吉と傳蔵は一人二役でまさに「白と黒」を描いてるよう。物語終盤、傳蔵が京やに行って永吉に焼香をあげるシーンがあり、傳蔵の手元がアップで映し出される。無造作に大きい数珠がじゃらじゃらとがっぷりと合わさったごつい手から、その音が聞こえる。相対して永吉は繊細な技で豆腐を作ったり、水から豆腐をすくい上げたりしてるわけで、こちらは繊細な手を描いている。同じ人の同じ手なはずなのに、こうも違うように見るのだから一人二役とは思えないほど。

 思っていたよりもずっとずっとよくって観てよかったし。ちょっと原作の「あかね空を読んでみたくなりました。

Mon, 23 Apr 2007 16:08|本・CD・DVD・映画 | comments (3) | trackback (2)

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コメント

うん!よかった!
あとから、じんわりと良さがしみわたっていくかんじ。
随所にわたる細かいところにも丁寧に気が配られてて、いいものがこだわって使われてたね。もう一回見たい。
| コメントさん | EMAIL | URL | 2007/04/26 10:31 PM | mZSz06Ig |

>コメントさん
コメントありがとうございます〜。あとから思い出してもじわじわと来る良さがありますよね。本当はもう1回くらい観たいですね(^^。ほんと観てよかったです。
| Tami | EMAIL | URL | 2007/04/30 11:01 AM | nOo4CBTE |

原作をぜひ読んでください。
映画は物足らないと思いました。
| ・ | EMAIL | URL | 2007/05/06 12:25 AM | RtuCSHUE |


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| SHOのゆるゆる通信 | 2007/04/23 11:54 PM |
あかね空(シネマイクスピアリ)

「おおきに。平気、平気やで・・・」

とにか
| 駒吉の日記 | 2007/04/24 03:34 PM |